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原状回復をするなら知っておきたい減価償却とは

原状回復をするなら知っておきたい減価償却とは

2018/07/30

賃貸物件を契約して借りている場合、解約するときには傷んだ箇所を修復し、借りる前と同じ状態に戻して貸主に返却しなければなりません。
それが「原状回復義務」と呼ばれるもので、賃借人と貸主双方に発生します。

国土交通省から出されている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、賃借人の居住、使用によって発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意や過失、通常の使用を超えるような使用によって受けた損耗や毀損は賃借人が負担して修復しなければならないことになっており、通常の使い方をしていて発生した汚れや傷み、経年劣化を修復する費用は貸主が負担することと定められています。

 

具体的には、壁の釘による穴や落書きなどは賃借人が負担し、換気扇の油汚れ、風呂やトイレなど水回りの水垢やカビなども、「手入れを怠った」ことが原因となるので賃借人の負担となります。

一方、テレビや冷蔵庫裏側の壁の黒ずみや、家具を置いたためにできた床のへこみなどは「通常の使用」が原因なので貸主が負担して修復しなければなりません。
しかし、賃貸物件そのものに発生する経年劣化や損耗分については、一般的に賃借人は賃料として支払っている場合が多いため、明け渡しの際も賃借人が負担することは二重に負担することとなってしまいます。

 

そのため経過年数による減価割合については、ガイドラインでは法人税法などによる減価償却資産の考え方を採用することになっており、資産ごとに定められた耐用年数で残存価値が1円となるような直線を描いて、経過年数により賃借人の負担を決定することになっています。

ただし、経過年数を超えた設備であっても継続して賃貸物件の設備として使用できる場合には、賃借人はその価値に相当する修繕費を負担しなければならないことと定められています。

 

経過年数による減価償却は細かく分類されており、6年と想定されているものは畳やカーペット、クッションフロア、壁紙などの床面や壁面と、ガスレンジやエアコンなどです。
なお、建具や柱、建物の鍵などの経過年数は考慮しないことが前提となっているものもあるので契約時に確認しておくとよいでしょう。

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