退去時の原状回復工事は、傷や汚れの程度にもよりますが、決して安価で済む工事ではありません。
そのため施工業者は慎重に選びたいものです。

ここでは、原状回復工事を依頼する業者を選ぶ際気をつけたいポイントをいくつかご紹介します。

話を根本から折ってしまいますが、まず気をつけたいのは、居住者に施工業者を選ぶ権利があるかどうかです。
契約内容によっては、入居の時点で既に施工業者が決まっている、また、貸し主が業者を選ぶ権利を有するとされている場合があります。
まずは、入居時の契約内容を確かめてから業者選びを始めましょう。

いざ業者選びを始めるとなった際に気をつけたいのは、施工業者には大きく分けて「建設会社」、「職人」、「原状回復専門業者」の3種類に分かれるということです。

建設会社は確かな技術力を有するが価格が他より高い、職人はコストパフォーマンスに優れるが個人経営であることが多く繁忙期に対応できない、専門業者は少し高価格だが専門業者であるためスピーディーかつ付帯サービスが充実しているなどどれも一長一短です。状況に応じた業者を選択しましょう。

業者選びの際最も気になるのはやはり価格面でしょう。
価格をできるだけ抑えるために重要なのが、より多くの業者に現地での価格見積もりをしてもらうことです。
先ほども少し触れた通り、同じ工事でも業者によって価格は大きく変動します。

また、現地で見積もってもらわぬまま工事を依頼すると、後から思わぬ追加料金を請求されてしまうかもしれませんので注意が必要です。

安ければ安いほど良いのは確かですが、あまりにも安すぎる価格で請け負っている業者には注意が必要です。
そういった業者が抜群のコストパフォーマンスを実現している理由が、不法投棄による廃棄コスト削減であるからかもしれないからです。

もちろんこれは法律に違反するのですが、このようなケースの場合、罰せられるのは業者ではなく、廃棄物を排出した人、つまり工事の依頼人なのです。
業者に丸ごとお願いしていたら、いつのまにか自分が逮捕されてしまう、なんてこともあるかもしれません。
こうした事態を未然に防ぐためにも、業者に対して、廃棄物を正式に処理した証明書類の提示を依頼することが重要です。

原状回復工事は業者選び次第でより安く、より早く仕上げる事ができます。
業者選びが工事のクオリティを左右します。
複数の業者を検討し、悪徳企業に気をつけながら慎重な業者選びを行いましょう。