モルタルのアスベスト調査は必要?店舗解体・原状回復前に知るべき確認ポイントを解説
2026/04/072026/04/07
店舗の移転や退去が決まり、原状回復工事や内装解体を進めようとしたとき、
「このモルタル部分、アスベストの調査が必要かもしれません」
と業者から言われて、戸惑う方は少なくありません。
特に、次のようなお悩みは非常に多いです。
- モルタルにアスベストが入っていることは本当にあるのか
- 壁や床を見ただけで判断できるのか
- そもそも調査は必ず必要なのか
- 調査をしないまま工事を進めるとどうなるのか
- どこまで調査すればよいのか
- 調査で工期や費用はどれくらい変わるのか
店舗の移転や退去では、退去期限や新店舗のオープン時期が決まっていることが多く、工事を急ぎたくなります。
ですが、モルタルまわりの建材にアスベストが含まれている可能性がある場合、確認を後回しにしたまま工事に入ると、あとから工事が止まったり、想定外の追加費用が発生したりすることがあります。
1. そもそも、なぜ「モルタルのアスベスト調査」が必要になるのか
4. 店舗解体や原状回復で、モルタルのどこが調査対象になりやすいのか
1. そもそも、なぜ「モルタルのアスベスト調査」が必要になるのか
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店舗の原状回復や退去工事では、壁や床、天井、外壁、下地など、さまざまな部分に手を入れることになります。
その際に問題になるのが、壊す・削る・はつる・めくるといった作業です。
アスベストは、含まれている建材がそのまま静かに存在しているだけなら、直ちに飛散はしません。
しかし、解体や改修で建材に力を加えると、粉じんとして飛散するおそれがあります。
そして厄介なのは、 アスベストの粉じんは非常に細かく、空気中に漂いやすい ことです。
吸い込むと肺の奥まで入り込み、長い年月を経て健康被害(中皮腫、肺がん、石綿肺など)につながる可能性 があるとされています。
そのため、工事前にアスベスト含有の有無を確認しておく必要があります。
厚生労働省のサイトにも、下記の記載があります。

解体・改修工事を行う際には、その規模の大小にかかわらず工事前に解体・改修作業に係る部分の全ての材料について、石綿(アスベスト)含有の有無の事前調査を行う必要があります。
ここで重要なのは、大規模工事だけが調査対象になるわけではないという点です。
小さなテナント工事であっても、壁や床、下地に手を入れるなら確認が必要になることがあります。
店舗移転の場面では、たとえば次のような工事でも注意が必要です。
- 退去のための原状回復工事
- 造作壁の撤去
- 左官壁やモルタル壁の補修・撤去
- 床のはつりや下地撤去
- 外壁の補修や改修
- 厨房区画まわりの壁・床解体
- 入口まわり、ファサードまわりの改修
つまり、「モルタルのアスベスト調査」は、単なる知識ではなく、工事を止めないための事前確認として必要になってくるものです。
2. モルタルにアスベストが含まれている可能性はあるのか
古い建物では、モルタルそのもの、またはモルタルに関連する仕上材・下地材などにアスベストが使われていた可能性があります。
ただし、実務では「モルタルにアスベストが入っている」と言われても、見た目では判断できない事が多いです。
現場で問題になっているのは、次のようなケースであることがあります。
- モルタル自体に混和された材料
- モルタルの上に施工された仕上塗材
- 下地調整材
- 補修材
- モルタル周辺の別建材
- 以前の改修で重ねられた別層の材料
ここが大事です
「モルタル」という言葉だけで考えると見落としが出やすくなります。
実際には、モルタルそのものだけでなく、表面材や下地材まで含めて確認する必要があるケースがあります。
特に店舗は、何度も改装されていることが多く、同じ壁に見えても、部分ごとに材料構成が異なることがあります。
補修跡や増し塗りがあると、なおさら慎重な確認が必要です。
3. アスベストは見た目で判断できるのか

多くの方が最初に気になるのが、「古そうな壁だけど、アスベストが含まれているか見た目でわからないのか」という点です。
結論からいえば、見た目だけでアスベスト含有の有無を確定することは難しいです。
その理由は大きく3つあります。
3-1. 同じように見えても材料構成が違うから
見た目は同じ灰色の壁でも、ただのモルタル下地なのか、モルタルの上に別の層があるのかで内容がまったく異なることがあります。
3-2. 改修履歴が見た目に出ないから
店舗は過去の入居者やオーナーの判断で何度も改修されていることがあり、表面だけでは古い材料がどこまで残っているかわかりません。
3-3. 石綿含有の有無は成分の問題だから
アスベストの有無は、最終的には建材の成分の問題です。
色や質感、ヒビの有無だけで「入っている」「入っていない」と断定することはできません。
見た目で判断しようとしないことが大切です
「古そうだから危ない」「新しそうだから大丈夫」といった感覚ではなく、図面・仕様書・現地確認・必要に応じた試料採取・分析という流れで確かめていくことが重要です。
4. 店舗解体や原状回復で、モルタルのどこが調査対象になりやすいのか
モルタルのアスベスト調査で大切なのは、「モルタル」という単語に引っ張られすぎないことです。
実際の現場では、モルタル単体というより、モルタルを含む壁や床の構成全体が問題になります。

4-1. 壁のモルタル下地
テナントの壁面では、塗装やクロスの下にモルタル下地が使われていることがあります。
造作撤去や壁補修をするときに対象になります。
4-2. 外壁・ファサードまわり
店舗の入口まわりや外壁は、モルタルの上に塗材や仕上材が施工されていることがあります。
見栄えのために何度か改修されているケースもあり、層の確認が重要です。
4-3. 床の立上りや巾木まわり
厨房やバックヤード、出入口まわりでは、床や壁の取り合い部分にモルタルが使われていることがあります。
床材撤去時に一緒に触る場合は要確認です。
4-4. 補修跡のある部分
水回り、クラック補修跡、設備撤去跡などは、部分的に違う材料が使われている可能性があります。
4-5. 改装を繰り返している店舗の古い下地
一見きれいに見えても、内部に古い下地が残っていることがあります。
特に長く使われてきたテナント物件では注意が必要です。
見落としやすいチェックポイント
- 同じ壁でも補修部分だけ材料が違わないか
- 表面材だけでなく下地材まで触る工事になっていないか
- 床と壁の取り合い部分に古い材料が残っていないか
- 外壁の表面材と下地材を分けて考えているか
- 過去の改装範囲が曖昧なままになっていないか
5. モルタルのアスベスト調査はどのように進むのか
実際の調査の流れを知っておくと、業者とのやり取りがしやすくなります。一般的には次のような手順で進みます。
5-1. 書面調査

まず、図面、仕様書、改修履歴、過去の調査報告書などの資料を確認します。
店舗物件では図面が残っていないことも多いため、その場合は現地確認の重要性がさらに高くなります。
5-2. 現地確認
実際の現場を見て、どこにモルタルが使われているか、補修跡があるか、どこまで解体するのかを確認します。
表面だけでなく、工事対象の層まで意識することが大切です。
5-3. アスベストの有無の判断
現地確認や資料確認を踏まえ、アスベストの有無を判断します。
書面調査と現地調査でアスベストが含まれているかはっきりしない場合は、試料採取をして分析が必要になります。
5-4. 試料採取

書類や目視だけで判断が難しい場合は、対象部位から試料を採取します。モルタル関連では、表面材だけでなく、下地調整材や下層まで含めて考えることが大切です。
5-5. 分析

採取した試料を顕微鏡を使って分析し、アスベストの有無を確認します。
必要に応じて追加の採取や別層の確認が必要になることもあります。
5-6. 工事方法の決定
確認結果を踏まえて、飛散防止、撤去方法、作業工程、廃材処理などを含めた工事計画を決めます。
調査が早いほど有利です
退去期限が近づいてから確認を始めると、分析待ちや見積りのやり直しで日程が厳しくなりやすくなります。
移転や退去が決まった段階で、なるべく早めに確認するのがおすすめです。
6. 押さえておきたい制度上のポイント
店舗オーナーや借主の立場では、細かい制度をすべて覚える必要はありませんが、実務上は次の点を押さえておくと安心です。
6-1. 工事前の事前確認が重要
解体・改修工事では、工事対象部分の材料について事前に確認することが大切です。
小規模な工事でも安心とは言い切れません。
6-2. 書類と現地の両方を見ることが重要
図面だけ、現場だけ、どちらか片方だけでは判断しにくいことがあります。
特に店舗物件では、改装履歴が複雑なことが多いため、両面からの確認が大切です。
6-3. アスベスト調査者の体制確認が重要
誰が調査をするのか、どのような体制で判断するのかを確認しておくと安心です。
アスベストを調査するためには、建築物石綿含有建材調査者の資格保有者が行わないといけません。
弊社では、建築物石綿含有建材調査者の資格保有者が在籍しておりまして、アスベスト調査も行っております。
ご不安な場合はお気軽にお問い合わせください。

6-4. 記録を残すことが大切
どこを確認したのか、何が不明だったのか、どのような判断をしたのかを記録として残しておくことが、後々のトラブル防止につながります。
7. モルタルにアスベストが見つかったら、工事はどうなるのか
「もし見つかったら、退去できなくなるのでは」と不安になる方も多いですが、アスベストが見つかったからといって、すぐに何もできなくなるわけではありません。
大切なのは、適切な方法に切り替えて工事を進めることです。
一般に問題になるのは、次のような点です。
- どの工法で撤去・補修するか
- 粉じん飛散をどう防止するか
- 作業者の保護をどうするか
- 発生した廃材をどう処理するか
- 予定していた工期にどれくらい影響するか
事前に調査しておけば、工法や費用、日程を現実的に組み直しやすくなります。
逆に、着工後に発覚すると、工程のやり直しや追加見積りでかえって負担が大きくなります。
重要な考え方
問題は「見つかったこと」そのものではなく、見つかる前提で段取りができているかです。
早めに確認しておけば、工事の中断リスクを減らしやすくなります。
8. 店舗移転の現場で起こりやすいトラブル
モルタルのアスベスト調査を後回しにすると、現場では次のようなトラブルが起こりやすくなります。
8-1. 工事直前になって調査が必要とわかる
退去日が近づいてから、「ここは調査が必要です」と言われ、日程が一気に厳しくなるケースです。
8-2. どこまで壊すか決まっておらず、調査範囲も曖昧になる
原状回復の範囲が曖昧だと、調査するべき箇所も曖昧になります。
その結果、工事中に追加確認が必要になることがあります。
8-3. モルタルだけ見て、塗材層を見落とす
表面材・下地調整材・補修材の確認が甘いと、後から追加対応が必要になることがあります。
8-4. 図面がないのに書面調査が不十分
図面がない物件では、現地確認がより重要になります。
資料不足をそのままにして進めると判断が粗くなります。
8-5. 「小規模の工事だから大丈夫」と思い込む
小規模の工事だから不要だろうという思い込みが、後のトラブルにつながることがあります。
小規模の工事でも、アスベストの調査は必要となります。
9. 調査を依頼するときに確認したいポイント
店舗オーナーや借主の立場で、調査会社や解体業者に相談するときは、次の点を確認しておくと安心です。
- 誰が現地確認を行うのか
- 書類確認も含めて対応するのか
- モルタルだけでなく、仕上材や下地材も見てくれるか
- 判断が難しい場合に、分析対応までしてくれるか
- 店舗原状回復や内装解体の経験があるか
- 退去スケジュールに合わせて進められるか
相談時に伝えておくとよい情報
- 退去期限
- どこまで原状回復する予定か
- 物件の築年数や入居年数
- 過去に改装した範囲
- 図面や仕様書の有無
- オーナーや管理会社からの指示内容
弊社では、アスベスト調査から内装解体までをセットで行っております。
アスベスト調査と内装解体を別々に依頼すると、現地確認や日程調整、業者同士の連携に手間がかかり、工期の遅れや追加費用につながることがあります。
一方で、アスベスト調査と内装解体をセットで行えば、調査から内装解体までを一括で進められるため、手間・時間・コストを抑えやすいのが大きなメリットです。

10. よくある疑問とその考え方
Q1. 古い建物なら必ずモルタルにアスベストが入っていますか?
A. 必ず入っているとは言えません。
大切なのは築年数だけで決めつけず、対象部位をきちんと確認することです。
Q2. 見た目がきれいなら調査は不要ですか?
A. 不要とは言えません。
見た目が新しくても、内部に古い材料が残っていることがあります。
Q3. モルタルだけ確認すれば十分ですか?
A. 十分とは言えません。
実際には、仕上材や下地材、補修部分なども含めて見た方が安心です。
Q4. アスベストのレベルが低そうなら簡単に壊してよいのですか?
A. いいえ。飛散防止や作業方法、保護具、処理方法などを適切に考える必要があります。
Q5. 調査はいつ相談するのがよいですか?
A. 退去や移転が決まったら、できるだけ早めがおすすめです。工事直前になるほど日程調整が難しくなります。
11. まとめ
モルタルのアスベスト調査で悩む方は多いですが、いちばん大切なのは、見た目で自己判断しないことです。
- 店舗の解体や原状回復では、モルタルまわりも確認が必要になることがある
- 見た目だけでアスベスト含有の有無を判断するのは難しい
- モルタルだけでなく、仕上材や下地材も含めて考えることが大切
- 早めに確認することで、工事中断や追加費用のリスクを減らしやすい
- 退去日が決まっている店舗ほど、事前の段取りが重要
店舗移転や原状回復では、退去期限や新店舗準備など、考えることがたくさんあります。
だからこそ、「モルタルにアスベストの可能性があるかもしれない」と思った時点で、早めに確認することが重要です。
どこを壊すのか、どの層まで確認する必要があるのかを整理しておけば、後から慌てるリスクを減らしやすくなります。
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MODEReNO ~原状回復・解体工事のモドリーノ~
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