原状回復の基礎知識~善管注意義務編~
2017/06/16
建物賃貸借契約終了時には未払い賃料などがあれば、入居時に差し入れた敷金と相殺し賃借人は残金の返還を受けることになります。
退去時には賃借人には原状回復義務を負っているため、賃貸人サイドで原状回復費用を敷金で清算することがあり、回復費用を負担を巡ってトラブルになることがあります。
賃貸人と賃借人の原状回復の範囲に関する争いが訴訟の場に持ち込まれる自体が頻発したため、平成10年に当時の建設省が原状回復に関する裁判例を集約し、ガイドラインが策定されました。
その後も退去時の原状回復に関する争訟が後を絶たないため、国交省は平成23年にさらに取扱を明確にしたガイドラインに改訂するにいたりました。
賃貸借契約終了時には、「原状に回復して」明け渡さなければなりません。
原状回復費用を巡る争いのポイントはどの程度の範囲が原状回復費用として賃借人に請求すべきかどうかの問題になります。
この点に付いては賃借人は善良なる管理者の注意義務を負って、借りている立場になるのでその義務に違反すれば損害賠償を支払うべき立場にあります。
日頃の清掃や退去時の清掃は、そのような善感注意義務の内容を構成する行為と評価することが出来ます。
それでは経年劣化に伴う財産的価値の減損までも原状回復に含めることが適切か否かが、敷金返還額等の争点の背景に存在しています。
この問題について、ガイドラインは賃借人の原状回復義務は賃借人が借りた当時の状態に完全回復させる必要はない、との考えを明確にしています。
賃借人は社会通念上妥当な用法で賃借物を利用すべきであるため、通常の居住や使用によって生じた財産価値の減損に付いては負担する必要はない旨を明らかにしています。
従って通常の用法を越えた使用や、故意または過失により損害を発生させた場合には善感注意義務に違反するものとして原状回復義務を負い修繕費を負担することになります。
他方で家具の設置による凹みや、日光による畳やクロスの日焼けや変色など通常の居住で生じる範囲の修繕は賃貸人が負担することになります。
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