原状回復費用で確認すべき注意点とトラブル事例
2022/09/03
退去する際に発生する”原状回復”。
原状回復ではトラブルも多く、「原状回復の費用相場はどれくらいが適切?」「高い金額を請求されたが負担しなければいけないのか」といった疑問や悩みを抱えることもあります。
今回はそんな原状回復工事の費用について疑問や悩みをお持ちの方に、退去時に必要な原状回復の費用相場を紹介します。
原状回復に関しての一般的な知識を身に付け、自身が退去する際に原状回復費用でトラブルを引き起こさないようにポイントを押さえていきましょう。
1.原状回復とは借りた時点の状態に戻すこと
原状回復とは、賃貸物件の契約が終了した際に借りた時点の状態に戻す(元に戻す)ことを言います。
事務所・店舗物件は契約期間内に、住居物件は契約終了後に原状回復を行い、賃貸人に返すこととなります。
事務所・店舗物件では、すべて賃借人負担で原状回復を行うケースがほとんどです。
一方、住居物件に関しては、賃借人のみが原状回復をするのではなく、賃貸人・賃借人双方の費用分担があります。
2.事務所・店舗・賃貸マンションの原状回復費用の相場
以下では事務所・店舗および住居の原状回復費用について説明していきます。
なお、原状回復費用は施工業者や工事箇所によって差があるため、相場の参考としてご覧下さい。
2-1.事務所・店舗の場合
事務・店舗の場合、事業所の規模によって原状回復の費用が異なります。
小/中規模事務所・店舗(10~50坪未満)の場合は1坪30,000円~50,000円、大規模事務所・店舗(50坪以上)の場合は1坪50,000円~100,000円が相場です。
事務所・店舗の場合は上記が一般的な相場ですが、物件を管理する不動産屋や賃貸人によって1坪当たりの金額に差が出てきます。
特に大手企業が賃貸人の場合は、原状回復する際の指定業者も大手企業となる場合が多く、通常よりも費用が高くなる傾向があります。
一方、小/中規模の現状回復費が安く抑えられる理由は、原状回復を行う業者が大手企業ではなく、比較的工事を安く行う業者を使用しているためです。
2-2.住居の場合
住居の原状回復費用の相場は、部屋の広さが30㎡未満と30㎡以上で異なります。
30㎡未満の場合は1㎡あたり20,000円~40,000円、30㎡以上の場合は1㎡あたり10,000円程度が相場です。
また住居の場合は、原状回復工事の他にルームクリーニングが必ず入ります。
一般的にルームクリーニング費用は20,000円程度となり、破損や目立つ汚れがなければルームクリーニングだけで済む場合もあります。
部屋の破損等、賃借人負担で該当する項目があった場合は原状回復費用が発生するため、原状回復費+ルームクリーニング費が請求されます。
3.トラブルを防ぐ!確認すべき3つの注意点
原状回復工事では費用に関するトラブルの発生が多くあります。
ここではトラブルを未然に防ぐ為の3つの注意点をご紹介しますので、実際に原状回復が必要なときには注意しましょう。
3-1.賃貸人の指定業者の有無を確認
基本的に原状回復の工事業者は賃貸人が決める為、賃借人から指定することは出来ません。
なぜならば、賃貸人には「退去する際には元の状態に戻して退去してほしい」と思う一方、賃借人は「少しでも原状回復費用を安くして退去したい」と思うからです。
仮に賃借人の指定業者に原状回復工事を任せた場合、安い金額で手抜き工事をする業者も出てくる可能性があります。このようなトラブルを防ぐ為に、物件の所有者である賃貸人の指定業者が工事を行い、費用は賃借人が負担するという流れが一般的になりました。
契約書に「賃貸人の指定業者による工事」と記載があっても、賃貸人によっては賃借人の指定業者で工事を認められる場合もあります。まずは契約書を見返してみて「原状回復工事の指定業者の有無」を確認してみましょう。
3-2.過去の原状回復費用を確認
賃借人で指定した業者での原状回復工事の希望が通らず、賃貸人の指定業者で工事をするしかない場合は、前の入居者が退去する際の原状回復工事の見積もりを賃貸人側に出してもらい確認しましょう。
第2章で紹介した一般的な費用からあまりにもかけ離れている場合は、「何にこれだけ費用が掛かっているのか?」をしっかりと確認をして下さい。
3-3.原状回復費用を交渉する為に必ず合い見積もり取得
前述のように、原状回復工事の見積もりを確認して高額な見積もりだった場合は、合い見積もりを取って他社と比較して下さい。
そちらを参考資料として賃貸人に提出をして交渉をすれば、原状回復工事費用を安く出来る場合がありますので、高額の見積もりが出ても諦めずにトライして下さい。
4.原状回復工事費用におけるトラブル事例集
原状回復工事は、一般的に賃借人側で業者指定ができない為、退去時の見積もりでトラブルになるケースが多くあります。
ここでは費用面でトラブルになった事例をご紹介しますので、自身でトラブルを引き起こさないためにも事前に確認しておきましょう。
【トラブル事例リンク集】
≪事務所≫
■マンションの1室を事務所として借り受けた賃借人が、解約時に賃貸人に敷金全額の返還を求めたが「事務所として賃貸したものだから原状に回復させる」条項は適用されるべきであると賃貸人が主張⇒実態において居住用物件と変わらないので、オフィスビルの賃貸借契約を前提とした特約をそのまま適用すべきでない
https://www.retio.or.jp/info/pdf/65/65_07.pdf
■事務所契約において特例を結ばない限りは、賃借人には通常損耗についての原状回復はない
http://mbp-okayama.com/kikuchi/column/7617/
≪店舗≫
■見積もりに記載された原状回復費の坪単価が、相場よりも圧倒的に高い…⇒一方的に不利益な契約条項の場合、消費者契約法10条などで無効の可能性も
https://www.bengo4.com/c_1012/c_10/c_1298/c_1237/b_555574/
■原状回復工事期間が延びる場合、解約後も家賃を支払う必要があるのか?⇒期限通りに原状回復をして退去ができない以上は、家賃の支払いをしなければならないという結論になる可能性が高い
https://www.bengo4.com/c_1012/c_10/c_1298/c_1743/b_852670/
≪住居≫
■賃貸住宅の退去時に伴う原状回復に関するトラブルと消費者へのアドバイス
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110303_1.html
■消費者契約法10条施行前に契約締結された賃貸借契約でも、同法施行後に当事者の合意で契約更新なされた場合⇒自然損耗及び通常の使用による損耗は賃借人に原状回復義務を負担させる特約は消費者契約法10条により無効
https://www.retio.or.jp/attach/archive/61-084.pdf
5.まとめ
事務所・店舗の使い方また業者によっても金額が異なりますので、まずは一般的な相場観を掴んでいただき、相場に見合った金額を提示されているのか?されていないのか?を理解しましょう。
また、原状回復工事については非常にトラブルも多くなってきております。
今回はいくつかトラブルをご紹介させてもらいましたが、そういったトラブルにならないように、
記事内で紹介している3つの注意点を理解して、未然に防ぐ対策を取っていきましょう。
--------------------------------------------------------------------
MODEReNO ~原状回復・解体工事のモドリーノ~
住所:
愛知県尾張旭市下井町前の上1734
フリーダイヤル :
0120-979-996
電話番号 :
0561-76-1186
--------------------------------------------------------------------