介護施設の原状回復費用相場はいくら?浴室・手すり撤去から廃止届まで解説
2026/10/162026/10/20
「介護施設を閉鎖することになったが、介護施設の原状回復費用はどれくらいかかるのか」
「浴室や手すり、スロープはどこまで撤去しなければならないのか」
介護事業所の閉鎖・移転を控えた経営者様や、複数の事業所を運営する法人の施設管理ご担当者様から、こうしたご相談をいただきます。
介護施設の原状回復費用が一般的な事務所や店舗と異なるのは、個浴・機械浴などの浴室設備、手すり・スロープ・段差解消の工事、車いす対応のトイレ、調理設備、ナースコールや消防設備など、介護保険の指定基準や利用者の安全のために追加した設備が多いことです。さらに、利用者の引継ぎや指定権者(都道府県・市町村)への廃止届など、工事と並行して進める手続きも少なくありません。
本記事では、介護施設の原状回復費用相場を坪単価と施設規模別に解説し、費用が変わる介護施設特有の理由、契約書の確認ポイント、閉鎖までの流れと必要な手続きまでまとめました。
デイサービスやグループホームなどの閉鎖・移転を検討している方はぜひ参考にしてください。
モドリーノでは、現地調査・お見積りは無料で行っておりますのでお気軽にご相談ください。
1. 介護施設の原状回復とは?内装解体・スケルトン解体との違い
原状回復とは、賃貸借契約の終了時に、借りた物件を契約で定めた状態に戻して貸主へ返すことです。
介護施設の場合、ビルの1階や路面のテナントを借りて開設したデイサービス(通所介護)、事務所ビルの一室を借りた訪問介護・居宅介護支援事業所、住宅や小規模な建物を一棟借りしたグループホーム(認知症対応型共同生活介護)や小規模多機能型居宅介護など、借りている物件の形態はさまざまです。
よく似た言葉に「内装解体」と「スケルトン解体」があります。違いを整理すると次のとおりです。
| 用語 | 意味 | 介護施設での例 |
|---|---|---|
| 原状回復 | 契約で定めた「入居時の状態」に戻すこと。戻す範囲は契約書と貸主との協議で決まる | スケルトンで借りたならスケルトンへ、内装付きで借りたなら追加した造作や設備のみ撤去 |
| 内装解体 | 天井・壁・床の仕上げや造作など、内装の一部または全部を撤去する工事 | 受付カウンター、間仕切り、手すり、相談室・静養室の造作などを撤去 |
| スケルトン解体 | 建物の構造体(躯体:くたい)だけを残し、内装・設備をすべて撤去する工事 | 浴室・トイレ・調理設備、天井・壁・床の下地、配線・配管、空調ダクトまで撤去 |
ポイント
「原状回復=必ずスケルトン解体」ではありません。どこまで戻すかは賃貸借契約書と入居時の状態で決まります。特に介護施設では、開設時にバリアフリー化や浴室の新設など大がかりな改修をしていることが多いため、入居前の状態を写真や図面で確認しておくことが費用を見通す第一歩です。
2. 介護施設の原状回復費用相場|坪単価・施設規模別の目安
介護施設の原状回復費用は「坪単価(または㎡単価)×工事面積」が基本の計算式です。ただし、浴室の数と種類(個浴・大浴場・機械浴)、手すり・スロープなどバリアフリー工事の量、トイレの数、調理設備の有無、消防設備の状況、アスベストの有無、立地条件(搬出経路・作業時間の制限)などによって、同じ坪数でも金額は大きく変わります。
また、地域によっても変動いたします。
下記は、愛知・岐阜・三重・静岡での工事費用の目安となります。
工事種別ごとの坪単価・㎡単価の目安
| 工事の種類 | ㎡単価の目安 | 坪単価の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 内装解体 | 7,000〜18,000円 | 23,000〜59,000円 | 受付カウンター・間仕切り・手すり・収納・照明など、必要な範囲を撤去する工事 |
| スケルトン解体 | 8,000〜23,000円 | 26,000〜76,000円 | 浴室・トイレ・調理設備、天井・壁・床の下地、電気配線、給排水管、空調ダクトなどを撤去し躯体を出す工事 |
| 原状回復工事 | 12,000〜36,000円 | 40,000〜120,000円 | 契約で定めた入居時の状態に戻す工事。床のかさ上げの撤去や、入居時の設備の復旧まで求められると高くなる |
※上記は内装解体・原状回復の一般的な坪単価・㎡単価の目安です(1坪≒3.3㎡)。浴室や水まわりが多い施設、床のかさ上げ・防水工事をしている施設は上振れします。正確な金額はお見積もりをお願いいたします。
施設規模別の総額目安
| 施設の規模・種類 | 総額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 小規模(10〜20坪程度、訪問介護・居宅介護支援などの事務所型) | 40万円〜240万円 | 水まわりが少なく一般的な事務所に近い。手すりや車いす対応の出入口を設けている場合は加算される |
| 中規模(30〜60坪程度、地域密着型・小規模のデイサービスなど) | 120万円〜720万円 | 浴室・トイレ・簡易な調理設備・手すりなど、水まわりとバリアフリー工事が坪単価を押し上げる |
| 大規模(60〜100坪以上、通常規模のデイサービス・リハビリ特化型など) | 240万円〜1200万円程度 | 機械浴(特殊浴槽)や大浴場、機能訓練機器、屋外スロープ・車寄せの撤去が加わると変動幅が大きい |
| 一棟借り(グループホーム・小規模多機能型居宅介護など) | 個別見積もり | 居室・浴室・キッチン・スプリンクラーなど設備が多く、建物を住宅や事務所に戻す範囲によって大きく変わる |
※上記は、原状回復工事の目安となります。
アスベスト除去が必要な場合や、外構(屋外スロープ・駐車場の区画線など)の復旧が必要な場合は別途費用が発生します。
費用に含まれる主な項目
見積書を比較する際は、坪単価だけでなくどの項目が含まれていて、どの項目が「別途」になっているかを必ず確認しましょう。介護施設の見積もりでは、次のような項目が計上されるのが一般的です。
| 項目 | 内容・確認ポイント |
|---|---|
| 浴室設備の撤去 | ユニットバス・在来浴室(タイル張りの浴室)・機械浴の解体と搬出。床のかさ上げや防水層をどこまで撤去するか確認 |
| 内装解体・スケルトン解体 | 天井・壁・床材、照明、間仕切り、受付カウンター、静養室・相談室の造作などの撤去 |
| 手すり・バリアフリー設備の撤去 | 廊下・トイレ・浴室の手すり、段差解消のスロープ、引き戸への交換部分など。撤去後のビス穴や下地補強の補修が含まれるか確認 |
| 給排水設備の撤去 | 増設したトイレ・洗面台・汚物流し・調理設備の撤去と、配管の閉止(キャップ止め)。床下・壁内の配管をどこまで撤去するか確認 |
| 電気・通信設備の撤去 | ナースコール・見守りセンサー・インターホン、浴室の暖房機、増設したコンセントや分電盤などの撤去 |
| 空調・換気設備の撤去 | テナント側で設置した業務用エアコン、換気扇・ダクトの撤去。フロン回収の費用が含まれるか確認 |
| 消防設備の撤去・移設 | テナント側で増設した自動火災報知設備の感知器、誘導灯、非常照明など。撤去してよいかは貸主・消防設備業者と確認 |
| 看板・サイン類の撤去 | 壁面看板、袖看板、ガラス面のシート、送迎車用の駐車場案内など。高所作業車が必要か確認 |
| 産業廃棄物の処分費 | 木くず・金属くず・廃プラスチック・石膏ボード・浴槽などの運搬・処分費 |
| 養生・仮設・搬出費 | 共用部の養生、搬出経路の確保、作業時間の制約にともなう費用 |
3. 介護施設の原状回復費用が変わる介護施設特有の理由
介護施設の原状回復費用が同じ広さの事務所より高くなりやすいのは、利用者の安全と介護保険の指定基準を満たすために、開設時に多くの設備を追加しているからです。費用に影響しやすい代表的な要素を見ていきましょう。
① 浴室・機械浴(特殊浴槽)
デイサービスの多くは入浴サービスを提供しており、個浴(家庭用に近い浴槽)、複数人が入れる大浴場、寝たまま・座ったまま入浴できる機械浴(特殊浴槽)などを備えています。在来浴室のタイル・防水層の解体や、排水勾配のための床のかさ上げの撤去は手間がかかり、費用が膨らみやすい部分です。
機械浴は重量があるため、搬出経路の確認や分解作業も必要になります。リース品の場合は、リース会社への返却手配を先に済ませておきましょう。
② 手すり・スロープ・段差解消
廊下・トイレ・浴室の手すり、出入口のスロープ、床の段差解消、開き戸から引き戸への交換など、バリアフリーのための工事は介護施設ならではです。
手すり自体の撤去は難しくありませんが、取り付けのために壁内に入れた下地補強や、撤去後のビス穴の補修まで求められるかどうかで費用が変わります。建物の外にスロープや手すりを設けている場合は、外構の復旧も必要です。
③ トイレ・汚物流しなどの水まわり
車いす対応のトイレ、職員用・利用者用の複数のトイレ、洗面台、汚物流し(排泄物を処理する流し)など、介護施設は水まわりの数が多いのが特徴です。給排水管を新たに引き込んでいる場合は、床を斫(はつ)って配管した部分の撤去と床の復旧が必要になり、費用が上がりやすくなります。
④ 調理設備・食堂
昼食を提供するデイサービスやグループホームでは、業務用のキッチンや食器洗浄機、ガス設備、換気ダクトを設置していることがあります。ガスの閉栓はガス会社への連絡が必要です。厨房の規模が大きい場合は、飲食店と同様に排気ダクトや床の防水の撤去が費用に影響します。
⑤ ナースコール・見守り設備・消防設備
ナースコールや見守りセンサー、防犯カメラなどの配線は、天井裏や壁内に張り巡らされていることがあります。また、介護施設として開設する際に、自動火災報知設備やスプリンクラー、誘導灯などを増設しているケースも少なくありません。消防設備はビル全体の設備とつながっていることが多く、テナントの判断だけで撤去すると不具合の原因になります。撤去の可否と方法は、貸主やビルの消防設備業者と必ず確認しましょう。
⑥ 立地・作業時間の制約
ビルのテナントでは、騒音の出る作業を平日夜間や休日に限定される場合があります。また、移転の場合は新しい事業所の開設日に合わせて工程を組む必要があります。作業時間に制約があると工期が延び、人件費が上がるため、見積もり時に条件を伝えておくことが大切です。
浴室や手すり、水まわりの撤去もまとめてご相談いただけます
モドリーノでは、浴室・トイレ・調理設備などの水まわりや、手すり・スロープの撤去はもちろん、機械浴やリース機器の返却、移転先の開設日に合わせた工程づくりをお手伝いします。「何から手を付ければいいかわからない」段階からお気軽にご相談ください。
4. 原状回復の範囲と契約書の確認ポイント
原状回復の範囲の考え方
ビルのテナントに入居しているデイサービスでは、「スケルトン状態で借りて、スケルトン状態で返す」契約が一般的です。
ただし、入居前から貸主が設置していた空調や分電盤、トイレ、給排水の引き込み部分、ビル共用の消防設備などは「残す」ことが求められる場合もあります。一方、住宅や元店舗を内装付きで借りた場合は、スケルトンまで戻す必要はなく、介護施設にするために追加した手すり・浴室・スロープなどの撤去と補修だけでよいケースもあります。
また、貸主が次の入居者も介護・福祉事業者を想定している場合は、手すりやスロープ、車いす対応トイレを「残してほしい」と言われることもあります。撤去してよいもの・残すものを、貸主と事前に整理しておくことが重要です。
契約書で確認したいポイント
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 原状回復の範囲 | 「スケルトン渡し」「入居時の状態」など、どの状態に戻すと書かれているか。入居時の図面・写真が残っているか |
| 解約予告期間 | 事業用物件では3〜6か月前の予告が一般的。廃止届や利用者の引継ぎのスケジュールと合わせて逆算する |
| 工事業者の指定 | 貸主やビル管理会社が指定する業者で工事を行う条件があるか(指定業者は費用が高くなる傾向がある) |
| 工事完了の期限 | 契約終了日までに工事を終える必要があるか。間に合わない場合の賃料・違約金の扱い |
| 敷金・保証金の精算 | 原状回復費用を敷金・保証金から差し引くのか、償却(契約で定めた一定額を差し引くこと)の定めがあるか |
| 造作の買取・残置 | 貸主の承諾を得て設備を残す(残置する)ことが認められるか。居抜きでの譲渡が可能か |
注意
住宅の賃貸でよく知られている国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、主に居住用の賃貸住宅を想定したものです。
事業用の物件では、通常の使用による損耗(通常損耗)も借主負担とする特約が有効とされるケースが多いため、契約書の内容を優先して確認しましょう。
✅ 【モドリーノの契約サポート・交渉フォロー】
- 「どこまで戻す必要があるのかわからない」
- 「指定業者の見積もりが高すぎる気がする」
といったお悩みに対し、モドリーノでは契約書の読み合わせから、ビルオーナー様・管理会社様との工事範囲の打ち合わせまで同席いたします。過剰な復旧工事を防ぎ、費用負担を抑えるための調整をサポートします。
5. 費用を抑えるために発注前に確認したい5つのポイント
① 工事範囲と「残すもの」を明確にする
浴室・トイレ・手すり・消防設備など、設備ごとに「撤去する」「残す」を一覧にしておくと、見積もりの抜け漏れや過剰な工事を防げます。貸主が残してよいと言った設備は、書面やメールで記録を残しておきましょう。
② 同じ条件で複数社に見積もりを取る
撤去範囲や作業時間の条件をそろえて、2〜3社から見積もりを取るのが基本です。総額だけでなく、浴室の解体、配管の処理、補修、廃棄物処分などが「一式」でまとめられていないかを確認すると、比較がしやすくなります。
③ 福祉用具・備品・書類の搬出を先に済ませる
レンタルの介護ベッドや車いす、リースの機械浴や複合機は返却の手配を、事業所所有の備品は移転先への移設や売却・処分を、工事の前に済ませておきます。残置物が多いと、解体業者が処分を代行する分の費用が上乗せされます。個人情報を含む介護記録や書類は、工事業者に任せず事業者自身で管理・搬出しましょう。
④ 居抜きでの譲渡・後継テナントの可能性を探る
浴室やバリアフリー設備が整った物件は、別の介護・福祉事業者にとって魅力的な場合があります。貸主の承諾を得て居抜きで引き継げれば、原状回復費用を大きく抑えられる可能性があります。早めに貸主や不動産会社に相談してみましょう。
⑤ アスベスト事前調査を早めに行う
2006年9月より前に建てられた建物では、天井材や床材、浴室まわりの建材などにアスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。解体・改修工事を行う際は、規模や築年数にかかわらず事前調査が原則として義務付けられています。含有が判明すると除去費用と工期が加わるため、見積もりの段階で事前調査を済ませておくと、スケジュールの遅れを防げます。
★モドリーノでは、
6. 特に注意が必要なケース
以下のようなケースでは、工事内容が複雑になりやすく、事前の現地確認と専門業者への相談が特に重要です。
専門業者に早めに相談したいケース
- 在来浴室や大浴場、機械浴など、大型の浴室設備がある
- 床のかさ上げ・防水工事をして浴室やトイレを新設している
- 住宅や元店舗を介護施設に改修しており、間取りを大きく変えている
- スプリンクラーや自動火災報知設備を介護施設用に増設している
- 屋外にスロープ・手すり・車寄せの屋根などを設置している
- 2006年9月より前に建てられた建物に入居している
- 複数の事業所を同時期に閉鎖・統合する
- 移転先の開設日が決まっていて、工期に余裕がない
特に一棟借りのグループホームや小規模多機能型居宅介護では、居室の間仕切り、各階の浴室・トイレ、キッチン、スプリンクラーなど設備が多岐にわたります。建物をどこまで元の住宅・事務所の状態に戻すのかは貸主との協議次第で大きく変わるため、現地調査を踏まえた個別の見積もりが欠かせません。
7. 介護施設の閉鎖・退去までの流れ
介護施設の閉鎖では、工事だけでなく利用者の引継ぎや行政への届出を並行して進める必要があります。一般的な流れは次のとおりです。
| ステップ | 時期の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 1. 閉鎖・移転の方針決定と事前相談 | 6か月前〜 | 指定権者(都道府県・市町村)に事前相談。賃貸借契約書で解約予告期間と原状回復の範囲を確認 |
| 2. 解約予告 | 3〜6か月前 | 契約で定められた期限までに貸主へ解約を通知 |
| 3. 利用者・家族・ケアマネジャーへの説明 | 2〜3か月前 | 閉鎖の理由と時期を説明し、引継ぎ先の事業所を調整 |
| 4. 現地調査・見積もり・アスベスト事前調査 | 2〜3か月前 | 複数社に現地調査を依頼。貸主と撤去範囲を確定 |
| 5. 廃止届の提出 | 廃止の1か月前まで | 利用者の移管先を記載した書類とともに指定権者へ提出 |
| 6. 備品・福祉用具・書類の搬出 | サービス終了後 | レンタル・リース品の返却、備品の移設・処分、介護記録の搬出 |
| 7. 原状回復工事 | 2〜4週間程度 | 中規模のデイサービスの場合の目安。浴室が多い施設や一棟借りでは長くなる |
| 8. 貸主の立会い・引き渡し | 契約終了日まで | 工事完了の確認、鍵の返却、敷金・保証金の精算 |
※時期は一般的な目安です。届出の期限や事前相談の要否は指定権者によって異なるため、最新情報は所管の自治体でご確認ください。
ポイント
工事はサービス提供を終えてから始めるのが原則です。利用者の引継ぎ → 廃止届 → 搬出 → 工事 → 引き渡しの順で、契約終了日から逆算してスケジュールを組むと、賃料の二重払いや工事の遅れを防げます。
8. 忘れずに行いたい法令・行政手続き
介護保険の指定事業所の廃止届
介護保険の指定を受けた事業所を廃止・休止する場合は、廃止・休止しようとする日の1か月前までに、指定権者へ届け出る必要があります。デイサービス(通所介護)や訪問介護は原則として都道府県(政令市・中核市などは市)、地域密着型通所介護やグループホーム、小規模多機能型居宅介護は市町村が指定権者です。利用者がいる場合は、引継ぎ先を記載した移管リストの提出を求められるのが一般的で、事前相談を必須としている自治体も多くあります。
※届出の期限・様式・事前相談の要否は自治体によって異なります。最新情報は所管の自治体の介護保険担当窓口でご確認ください。
介護記録などの保存
介護保険の基準では、サービス提供の記録などを一定期間保存することが定められており、自治体の条例で5年間とされていることが多くあります。事業所を廃止した後も保存義務は続くため、法人の本部や別の事業所で保管する、適切な方法で廃棄するなど、取り扱いをあらかじめ決めておきましょう。
※保存期間は指定権者の条例によって異なります。最新情報は所管の自治体でご確認ください。
消防・ガス・電気などの手続き
- 消防設備の撤去・変更:所轄の消防署やビルの消防設備業者に事前に相談
- ガス:ガス会社に閉栓を依頼
- 電気・水道・通信:解約や名義変更の手続き(ビルの一括契約の場合は管理会社に確認)
- 業務用エアコン:撤去時にフロン排出抑制法に基づくフロン回収が必要
アスベストの事前調査
2021年4月の石綿障害予防規則の改正により、解体・改修工事を行う際は、規模や築年数にかかわらず事前調査が原則として義務付けられています。2023年10月からは、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が事前調査を行うことも義務付けられました。一定規模以上の工事では、調査結果の報告も必要です。
9. よくある質問(FAQ)
Q. 介護施設の原状回復費用は、なぜ見積もりによって差が大きいのですか?
A. 浴室の解体範囲(床のかさ上げや防水層まで撤去するか)、手すり撤去後の補修の程度、給排水・消防設備をどこまで撤去するか、作業時間の制約など、業者ごとに前提条件の置き方が異なるためです。廃棄物処分費やフロン回収費が「別途」になっている見積もりもあるため、内訳まで含めて比較することが大切です。
Q. 介護ベッドや車いす、機械浴も解体業者に処分してもらえますか?
A. 事業所が所有している備品であれば、産業廃棄物として処分を依頼できます。ただし、レンタルやリースの福祉用具・機器は返却が必要なため、契約先に引き取りを依頼しましょう。まだ使える備品は、法人内の他の事業所への移設や、買取業者への売却で処分費を抑えられる場合もあります。
Q. 閉鎖の何か月前から準備を始めればよいですか?
A. 解約予告期間が3〜6か月前に設定されていることが多く、利用者の引継ぎ先の調整、指定権者への事前相談、見積もり比較、アスベスト事前調査にも時間がかかるため、6か月前を目安に準備を始めると安心です。
Q. 手すりやスロープは、すべて撤去しなければならないのですか?
A. 契約内容と貸主の意向によります。原状回復の範囲に含まれていれば撤去と補修が必要ですが、貸主が次の入居者のために残してほしいと考える場合もあります。残す場合は、後のトラブルを防ぐために貸主の承諾を書面で残しておきましょう。
Q. 居抜きで別の介護事業者に引き継げば、原状回復費用はかからないのですか?
A. 次の借主が浴室やバリアフリー設備を引き継ぎ、貸主も承諾すれば、原状回復の範囲を縮小できたり不要になったりする場合があります。ただし契約でスケルトン戻しが定められている場合は貸主の同意が前提になるため、早めに相談しましょう。
Q. アスベスト事前調査はどのタイミングで行えばよいですか?
A. 閉鎖が決まり、見積もりを取る段階で依頼するのが理想です。アスベストが見つかると除去工事の費用と工期が加わり、退去日に間に合わなくなるおそれがあるため、工事計画の前に結果が出ているのが望ましいです。
10. まとめ
介護施設の原状回復費用について、要点を整理します。
- 介護施設の原状回復費用は「浴室・機械浴」「手すり・スロープ」「トイレなどの水まわり」「消防設備」など、介護施設特有の設備量で大きく変わる
- 坪単価の目安:内装解体23,000〜59,000円、スケルトン解体26,000〜76,000円、原状回復工事40,000〜120,000円程度
- 総額の目安:事務所型40万〜240万円、中規模デイサービス120万〜720万円、大規模デイサービス240万〜1200万円程度
- レンタル・リースの福祉用具や機器は返却し、介護記録は事業者自身で管理・搬出する
- 居抜きで別の介護事業者に引き継げれば、原状回復の範囲を縮小できる可能性がある
- 指定事業所の廃止届は廃止の1か月前まで。利用者の引継ぎ先の調整も必要
- 閉鎖予定日の6か月前を目安に、契約書の確認と指定権者への事前相談から始める
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MODEReNO ~原状回復・解体工事のモドリーノ~
住所:
愛知県尾張旭市下井町前の上1734
電話番号 : 0561-76-1186
愛知で事業用物件の原状回復工事
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