エステサロンの原状回復費用はいくら?坪単価・㎡単価の相場と業態特有の注意点を解説
2026/08/172026/08/17
「閉店・移転が決まったけれど、エステサロンの原状回復にどのくらい費用がかかるのかわからない」
「個室ブースやシャワー設備はどこまで撤去すればいいの?」
エステ業界は出店・撤退のサイクルが早く、退去のタイミングでこうした疑問を持つオーナーは少なくありません。
エステサロンの原状回復は、個室・半個室ブースの間仕切り、シャワーや給湯などの給排水設備、脱毛機器や美容機器の専用電源、換気・排気ダクトなど業態特有の造作が費用を左右します。
契約書の内容を確認しないまま見積もりを受け取ると、想定より高い金額を提示されても適正かどうか判断できません。
本記事では、エステサロンの原状回復費用相場を坪単価・㎡単価で解説し、費用が変わる理由、契約書で確認すべきポイント、費用を抑えるコツまでまとめました。閉店・移転を検討している方はぜひ参考にしてください。
1. エステサロンの原状回復とは?内装解体・スケルトン解体との違い
エステサロンの原状回復とは、契約で定めた「入居前の状態」に戻すために、個室・半個室ブースの間仕切り、施術ベッド周りの造作、シャワーや洗面などの給排水設備、内装材を撤去・復旧する工事のことです。テナント退去や移転のタイミングで発生します。
なお、シャワー室の解体においては、コンクリートブロック等の斫り(はつり)工事が必要になるケースもあり、その場合は工事費用が大きく変わることがありますので、事前の確認が重要です。
見積もりを比較する際は、「内装解体」「スケルトン解体」「原状回復工事」を混同しないことが重要です。契約書でどこまで戻す義務があるかによって、工事範囲と費用が大きく変わります。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 内装解体 | 間仕切り・床材・造作など必要な範囲を撤去する工事。部分的な撤去も可能 |
| スケルトン解体 | 内装・設備をほぼすべて撤去し、躯体が見える状態まで戻す工事 |
| 原状回復工事 | 契約で定めた「入居前の状態」に戻す工事。スケルトンにしてから内装を新設する場合もあり、スケルトン解体より高額になることがある |
※エステサロンは個室数や設備によって金額差が大きい業態です。具体的な費用の目安は次の「2. エステサロンの原状回復費用相場」で解説します。
エステサロンは小規模・個人経営から出店するケースが多く、契約更新や物件の入れ替わりも比較的多い業態です。突然の退去判断に備え、原状回復の範囲と費用感を早めに把握しておくことが安心につながります。
2. エステサロンの原状回復費用相場|坪単価・㎡単価
エステサロンは10〜30坪程度の小規模テナントで営業しているケースが多く、工事範囲によって費用は次のように変わります。個室ブースや給排水設備の有無で同じ坪数でも金額差が出やすいのが特徴です。
| 工事の種類 | ㎡単価の目安 | 坪単価の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 内装解体 | 4,500〜18,000円 | 15,000〜60,000円 | 施術ベッド周りの造作・受付カウンター・軽微な間仕切りなど、必要な範囲のみを撤去する工事 |
| スケルトン解体 | 9,000〜25,000円 | 30,000〜83,000円 | 個室ブース・シャワーや洗面の給排水・脱毛機器等の専用電源・換気ダクトをほぼすべて撤去し、躯体が見える状態まで戻す工事 |
| 原状回復工事 | 4,500〜30,000円 | 15,000〜99,000円 | 契約で定めた「入居前の状態」に戻す工事。入居時が居抜きだったかスケルトンだったかで戻す範囲が変わり、内装を新設する場合はさらに高額になる |
※上記は一般的な内装解体の㎡単価・坪単価目安です(1坪≒3.3㎡で換算)。実際の費用は工事範囲・設備量・搬出条件・廃棄物の量などによって変動します。
エステサロンでは個室・半個室ブースの数や脱毛/美容機器用の専用電源の有無によって、同じ坪数でも金額差が出やすい点に注意が必要です。
「見積もりが相場と合っているか確認したい」方へ
エステサロンの内装解体・原状回復工事の無料見積もりを承っています。オーナーや管理会社からの請求額が相場と大きく乖離していないか、第三者目線での確認も可能です。
お気軽にご相談ください。
3. エステサロンの原状回復で確認すべき業態特有のポイント
エステサロンの原状回復費用は、次のような業態特有の要素によって変動します。見積もりの内容を精査する際の参考にしてください。
① 個室・半個室ブースの間仕切り
プライバシー確保のための個室・半個室ブースが複数あるエステサロンでは、間仕切り壁の解体・撤去に加えて天井や床の補修が必要になることがあります。ブース数が多いほど工事範囲は広がります。
② シャワー・洗面などの給排水設備
ボディトリートメントや足浴のためのシャワー・洗面・給湯設備を設置している場合、配管の撤去・閉栓など原状復帰の工事が必要になり、設備のないサロンより工事範囲が広がります。
また、シャワー室の解体においては、コンクリートブロック等の斫り(はつり)工事が必要になるケースがあります。
この場合、通常の内装解体と比べて工事費用が大きく変わることがありますので、事前に確認しておくことが重要です。
③ 脱毛機器・美容機器の専用電源
脱毛機やラジオ波・EMSなどの美容機器を使用している場合、専用の電源工事(単相200Vなど)を行っていることがあります。撤去時は配線処理までまとめて依頼する必要があります。
④ 換気・排気ダクト
施術中のオイルや香りを排出するための換気・排気ダクトを増設しているサロンも多く、ダクトの撤去や壁・天井の開口部補修が費用に影響します。
⑤ 内装の造作・演出設備
間接照明、アロマディフューザーの造り付け、装飾壁、防音・遮音のための下地材など、リラックス空間を演出するための内装は、撤去・補修に手間がかかります。
- 内装解体工事費(間仕切り・床材・造作の撤去)
- 給排水設備の撤去・閉栓費用(該当する場合)
- シャワー室解体費(コンクリートブロック等の斫り工事がある場合)
- 電気設備の撤去・配線処理費(専用電源がある場合)
- 養生費(共用部・エレベーターの保護)
- 産業廃棄物の収集・運搬・処分費
- 諸経費・現場管理費
「一式」でまとめられている見積もりは、内訳の提示を求めることをお勧めします。
4. 契約書の特約と退去前に確認すべきこと
テナント退去時の原状回復費用は、「契約書でどこまで戻すか」によって大きく変わります。事業用物件は住居用と異なり、通常損耗や経年劣化も借主負担となる特約が設けられているケースが一般的です。
| 特約 | 内容 |
|---|---|
| スケルトン返し特約 | 退去時にスケルトン状態で返す義務が発生。内装・設備すべての撤去が必要 |
| 通常損耗補修特約 | 経年劣化・通常の使用による損耗も借主が費用負担する内容が定められる。通常損耗・経年変化の補修費用は原則貸主負担とされているが、特約でこれと異なる定めをすることも可能。ただし、特約が有効と認められるには「借主が負担する範囲が契約書に具体的に明記されている」「口頭説明の場合は借主が内容を明確に認識し合意している」といった厳格な要件が求められ、内容によっては無効と判断されることもある |
| 指定業者特約 | オーナー指定の業者しか使えず、費用の比較が難しい |
- 契約書の原状回復条項・特約を読み返す
- 入居時の状態(居抜きかスケルトンか)を書面や写真で確認する
- 給排水・専用電源の設置が契約範囲内だったか、原状回復の対象になるかを確認する
- オーナー・管理会社に「どの範囲まで戻せばよいか」を書面で確認する
- 指定業者がいる場合も、相見積もりを取って金額の妥当性を確認する
5. 発注前に確認したい5つのポイント
① 工事範囲を明確にする
「内装解体」「スケルトン解体」「原状回復」のどれが必要なのかを契約書で確認し、業者に伝える工事範囲を明確にします。施術ベッドや什器を自分で運び出せるかどうかも確認しておきましょう。
② 同じ条件で複数社に見積もりを取る
撤去範囲・給排水や専用電源の有無を明確にしたうえで、同じ条件で見積もりを比較することが重要です。オーナー指定業者しか使えない場合でも、第三者の業者から参考見積もりを取ることで、請求額が相場と大きく乖離していないかを確認できます。
③ 什器・備品は事前に片付けておく
施術ベッドや美容機器、収納棚などの残置物を業者に撤去してもらうと「残置物撤去費」が追加されます。自分で運び出せるものは事前に片付けておくと費用を抑えられます。美容機器は買取業者への売却も検討しましょう。
④ 居抜き売却の可能性を確認する
次の借主が同業種(エステサロン・美容室・整体院等)であれば、内装や設備をそのまま引き継ぐ「居抜き売却」によって原状回復費用そのものが不要になる場合があります。退去まで時間がある場合は検討する価値があります。
⑤ アスベスト調査を事前に行う
アスベスト事前調査は築年を問わずすべての解体・改修工事で法律上の義務です。2006年9月以前に建てられた建物は、天井裏や床下地にアスベスト含有建材が使われている可能性があるため、事前調査を実施する必要があります。
特に注意が必要なケース
- シャワー・洗面など給排水設備がある
- コンクリートブロック等の斫り工事がある
- 脱毛機器・美容機器用の専用電源(単相200Vなど)を増設している
- 換気・排気ダクトを増設している
- 防音・遮音のための下地材が床や壁に使われている
- ビル・商業施設内で、深夜・休日のみ作業可能な制約がある
- 2006年9月より前に建てられた建物で、天井材・床材にアスベストが含まれる可能性がある
これらは現地調査をしないと正確な費用が算出できないため、見積もり時に現地確認を依頼しましょう。
6. 退去までの流れ
- 契約書の確認:原状回復の範囲・特約、退去予告期間を確認
- 解約予告:オーナー・管理会社へ解約予定日の3〜6か月前を目安に通知(契約書の予告期間に従う)
- 現地調査・見積もり取得:複数業者に現地を見てもらい、給排水・専用電源の有無を含めて見積もりを取る
- 居抜き売却の検討:次のテナントが見つかれば原状回復費用を抑えられる可能性がある
- 什器・備品の整理:自分で運び出せるものは事前に片付ける
- アスベスト事前調査:該当する建物は調査結果を踏まえて工事計画を立てる
- 原状回復工事・完了確認:契約書で定めた範囲まで工事を実施し、オーナー立会いのもと引き渡し
退去予告日から逆算し、アスベスト調査(1〜3週間)→什器整理・見積もり調整→工事着工→完了確認、という流れを組むのが基本です。給排水設備や専用電源がある場合は工事期間が長くなりやすいため、退去予告の2〜3か月前から動き始めると安心です。
7. よくある質問(FAQ)
Q. エステサロンの原状回復費用はなぜ店舗によって差が大きいのですか?
A. 個室・半個室ブースの数、給排水設備の有無、脱毛機器などの専用電源の有無によって撤去範囲が変わるためです。設備がシンプルなサロンは比較的安く抑えられますが、シャワーや給湯設備、専用電源があるサロンは配管・配線の撤去が必要になり費用が高くなります。また、シャワー室で斫り工事が必要になるケースがあり、費用がさらに大きく変わることがあります。
Q. 施術ベッドや美容機器は自分で処分してもいいですか?
A. 自分で搬出・処分することで、業者に依頼する「残置物撤去費」を抑えられます。状態の良い美容機器はリサイクル業者や同業者への売却で処分費用を相殺できる場合もあります。
Q. 居抜きでの売却は原状回復の代わりになりますか?
A. 次の借主が内装・設備を引き継ぐ形で合意できれば、原状回復工事そのものが不要になる場合があります。ただし契約書にスケルトン返し特約がある場合はオーナーの承諾が必要なため、事前に確認しましょう。
Q. オーナー指定の業者しか使えませんか?
A. 契約書に「指定業者条項」がある場合は原則として指定業者を使う必要がありますが、指定業者の見積もりが相場と大きく乖離している場合は相見積もりを取り、金額の差を交渉材料にすることができます。
Q. 退去日まで時間がないのですが、急ぎで対応してもらえますか?
A. 業者によっては急ぎ対応が可能な場合もありますが、アスベスト調査が必要な建物は調査だけで1〜3週間かかります。給排水設備や専用電源の撤去がある場合は工程調整にも時間を要するため、できるだけ早めにご相談いただくことをお勧めします。
8. まとめ
エステサロンの原状回復費用について、要点をまとめます。
- エステサロンの原状回復費用は、個室ブースの数・給排水設備・専用電源の有無で変動する
- 単価の目安:㎡単価4,500〜30,000円、坪単価15,000〜99,000円程度(工事範囲・契約内容により変動)
- 費用を左右する主な要因:個室・半個室ブースの間仕切り、シャワーや洗面の給排水、脱毛機器等の専用電源、換気・排気ダクト、シャワー室のコンクリートブロック斫り工事(該当する場合)
- 契約書の特約(スケルトン返し・通常損耗補修・指定業者)を退去前に必ず確認する
- 什器・美容機器の事前整理や居抜き売却で、原状回復費用を抑えられる可能性がある
- 2006年9月以前の建物は事前のアスベスト調査が必須。早めに着手を
--------------------------------------------------------------------
MODEReNO ~原状回復・解体工事のモドリーノ~
住所:
愛知県尾張旭市下井町前の上1734
電話番号 : 0561-76-1186
愛知で事業用物件の原状回復工事
--------------------------------------------------------------------
